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『皇統は万世一系である』 谷田川惣 日新報道
 2011年 21ページ〜22ページ

「側室なしの男系維持は不可能だ」というのが、女系容認論者の論理的支柱になっている。小林
よしのり氏は”核心”とまで語り、宮家がいくらあろうが、旧宮家が皇籍復帰しようが、側室制
度がないかぎり、男系継承は不可能とまで述べる。
(中略)
キリスト教圏の王室は、庶子(正妻以外の子供)
による継承は認められない。すなわち、側室制度は存在しないということだ。愛人はいても愛
人の子が王位を継承するなどあり得ないということである。つまり、西洋の王室は歴史的に一夫
一婦制ということになる。
 フランスを筆頭に男系継承を採用する王室は西洋にいくつも存在したが、庶子継承が認められ
ないからといって、ただちに王位継承が不可能になるなどという事実は存在しない。フランスで
は、九八七年にユーグ・カペーが王位を取得してから、庶系継承なしの万世一系で、フランス革
命(ルイ十六世)まででも八百年以上続いた。革命後もブルボン家の男系は存続しており、オル
レアン家として現在まで千年以上続いている。現在のスペイン王室もカペーの男系子孫である。
フランスはカペー本家に対してヴァロワ家、ブルボン家という二つの宮家で八百年も男系継承を
維持したという事実がある。

同上 148ページ〜149ページ

 ヨーロッパで典型的な男系継承が行われてきたフランスでは(中略)男系の血統だけでいえ
ば、現在のスペイン王家やフランス国内にもオルレアン家が王位請求権者として千年以
上続いている。

 フランスは長い間ヴァロワ家とブルボン家という二つの宮家で男系を支えたが、なぜそのよう
なことが可能であるかというと、血統というのは同一世代に三世代ないし四世代が同居するので、
一つの宮家だけでも男系は二から三系統を確保できるのが普通であるからだ。(中略)宮家が
四家あるとうことになれば単純に直宮と合わせて五系統なのではなく、それぞれの宮家が
複数系統をもつということである。宮家を充実させれば、必ず男系継承は安定する。
だから、まずは宮家を充実させるためにもやるべきことを実行するべきだと主張している。
低レベルの計算力だけで皇統を断絶されたのでは、たまったものではないということだ。


『皇統断絶計画〜女性宮家創設の真実』 谷田川惣 青林堂
 平成24年 84ページ(「第七章 一夫一婦制でも男系継承は可能」より)

 側室制度がないことで男系継承が不可能になるというのは、実は西洋ではまったく通用し
ない話となります。なぜなら西洋のキリスト教圏の王室は一夫一婦制で、例え愛人に子がい
ても、その子が王位を継承することは絶対にありません。
 かつては西洋でも男系継承を続けた王室は複数存在しましたが、側室制度がないから男系
継承ができないなどという事実は存在しませんでした。フランスは九八七年にユーグ・カペ
ーが王位を取得してから、一夫一婦制で八百年以上も男系継承を続けました。断絶したのは
男子の不在ではなくフランス革命が原因でした。革命後もブルボン家の男系は存続してお
り、現在ではオルレアン家の当主はアンリ七世を称しており、カペーの男系子孫は千年以上
続いています。少なくともフランスでは、カペー本家に対してヴァロア家、ブルボン家とい
う二つの宮家でハ百年も男系継承を維持したという事実が有るのです。


Webページ 『谷田川惣のコラムブック』
 ー小林よしのり「ウソ・詐欺全集」
 ー30分でわかる皇位継承論Q&A
 ー最初のQ&Aより(平成27年8月23日時点)

Q.側室制度がなければ、一夫一婦制では男系継承は不可能では?


西洋の王室では庶子(正妻以外の子)の継承は認められませんが、
男系継承を行っていた国々で、一夫一婦制ということで、
ただちに血統が断絶したという事実はありません。
ヨーロッパで典型的な男系継承が行われてきたフランスでは、
987年にユーグ・カペーが王位を取得してから、
庶系継承なしの万世一系で、フランス革命(ルイ16世)まででも、
800年以上続いていました。
(中略)
フランスはヴァロア家とブルボン家という2つの宮家で、皇統を支えましたが、
(中略)
宮家が2つあれば、4系統から6系統を確保することは普通に起こりえるのです。

現在の皇室では9人連続女子が誕生したという希に見る事態(確率では0.2%)となったため、
次世代の系統は悠仁親王殿下だけとなっていますが、
それでも戦後の皇室は、一世代5系統すら確保できていなかったのです。
一夫一婦制で男系継承を続けるためのポイントは、側室制度ではなく、系統を増やすことです。
つまり、男系継承の"肝"は傍系にあるということです。



Webページ 『谷田川惣のコラムブック』
 ー小林よしのり「ウソ・詐欺全集」
 ー田中卓氏の女系論を検証する
 ー43行目〜60行目(空欄含まず)
  (平成27年8月23日時点)


フランスはカペー本家と、バロア家とブルボン家という二つの宮家で
フランス革命まで800年以上男系継承を続け、
現在でもブルボン系のオルレアン家がカペーの男系を継承しています。

なぜ二つの宮家で男系維持が可能だったのか。
それは一つの時代に三世代、四世代が同居するからです。
(中略)
一時代に三~四世代が同居すれば、男性の多い宮家で調整しながら、
常時4ないし5程度の宮家を維持していくことは可能です。
三世代単位で考えれば、フランスのように二つの宮家でも十分対応できるのです。

Webページ 『谷田川惣のコラムブック』
 ー小林よしのり「ウソ・詐欺全集」
 ー高森明勅氏に反論する
 ー55行目〜60行目(空欄含まず)
  (平成27年8月23日時点)

(引用者註:以下は高森明勅先生からの引用)
----------高森明勅----------
(旧宮家の皇籍復帰について)女性宮家への入夫とか廃絶に瀕した宮家の養子になるなどの形で、
首尾よくそのことが実現した場合でも、②(嫡系)の条件が緩和されないかぎり、
早晩、男系継承は行き詰まるほかない。
なぜなら、そこでも正妃との間に代々にわたって必ず男子がお生まれになる保証はないからだ。
私はこの提案に反対するつもりはないが、②を前提とするかぎり、
それがうまく運んだ場合でも、結局は問題の先送りにしかならないことを知っておく必要がある。
(193頁)
——————————————

(引用者註:以下は谷田川先生の主張)
(省略)
庶子継承を認めないフランスでは、
二つの宮家で800年以上にわたりユーグ・カペーの男系継承を続けたし、
最終的に断絶した理由は、男子の不在ではなく革命であった。
ただし、血統でいえば、現在のスペイン王家や、フランス国内にもオルレアン家が
王位請求権者として現在まで続いている。
(中略)
庶子継承がなければ男系維持はできないなどという論理は、
西洋の王室では通用しない。


以上


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