4−3 コモン・ローは不正に対して救済するためのものである。

コモン・ローは司法制度と共に発展した。

司法とは不正を訴える者へ救済を与えることである。

コモン・ローは慣例に沿って救済措置を取る。

「旧宮家復活」は皇室の救済にはなりえず、慣例にも沿っていない。

「旧宮家」を復活させたところで、側室が無ければ
せっかく復活させた「旧宮家」を維持することができない。

「旧宮家」が断絶しそうになるとさらに新たな男系男子子孫に
皇籍取得させるシステムが必要となる。

このようなシステムは慣例に無い。

皇室と国民の境界を無くし
皇室の存在意義が無くなるため、
このような施策は中川八洋先生の言葉を借りれば
「革命的」なシステムである。

また、宮家に嫁ぐ女性に男子の出産を要求すると言う野蛮性は残り、
皇室に嫁ぐ女性は救済されない。

結論としては、「旧宮家の復活」はそもそもコモンローとは
関連付けられない先例無き解決策であり、
百害あって一利無しの最低な解決策である。


【補足】

中川八洋先生は側室無しで男系男子を維持する事が不可能である事を
正確に理解しており、「旧宮家」のみならず「旧摂家」までを
含めて約30家を復活させるべきだと主張している。

余りにも現実性が無いため、向こう見ずな独断と断じる他なく、
ここでは紹介するに留める。

以降の「旧宮家復活」とは一般的に言われている
4宮家を復活させるという案を指します。

以上

1.なぜ中川八洋先生か?
2.中川八洋先生の皇統関連の著作
3.中川八洋先生の男系論の要約
4.中川八洋先生の男系論への反論
  −1 英国において慣習法(コモン・ロー)は エクイティ(衡平法)により修正される、
  −2 権力者は時代の要請に応える必要がある。
  −3 コモン・ローは不正に対して救済するためのものである。
  −4 道徳はコモン・ローよりも優先される。
  −5 コモン・ローは時代の要請により再解釈される。
  −6 コモン・ローは先例を生み出す機能がある。
  −7 人権思想は完全には無視できない。
  −8 まとめ


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