4−8 まとめ

英国の歴史を見れば、エクイティが存在し、国会主権という国体を採用し
行政部に立法行為を委任しており、コモン・ローのみで社会を
構築できないことは明白である。

また、コモン・ローを修正するために存在するエクイティが
コモン・ローの一部であると解釈された事例から
人権思想が誕生してから約300年を経過して
いまだ人権保護が叫ばれる現状を鑑みれば
人権思想の中にもコモン・ローの一部に
組み込むべき価値があると考えられる。

さらに、いつの時代も権力者のみならず
人々は新しい問題に直面する。
時代の要請は単純な慣習の墨守を許さない。


保守主義とは先例の無い問題に対して革命思想のように
旧来の価値を180度転換させるのではなく
過去の歴史から、新しい価値と適合する叡智を
取り出すという考え方で先例を作り出し
歴史と社会の連続性を維持しようとするものである。


それでは何を基準にして慣習を再解釈し、何を基準にして
新しい価値をコモン・ローに組み込むべきかといえば
道徳を基準にしなくてはいけない。

コモン・ローは道徳に従属する。


人々は慣習を参照して道徳を見出して解決策を得る。

慣習が道徳に反するのであればその慣習は無効である。

慣習よりも人権思想のような新しい価値観の方が
より道徳的であるならば慣習は改めなければならない。

なにが道徳的に正しいかは人や時代によって
判断が異なるなどという子供のような言い訳は
通用しない。

晩婚化により30歳近くになって嫁いだたった一人の女性に、
子育てをしつつも必ず男子を産むことを要求することは
誰が見ても、何千年遡ってもみて野蛮で非道徳でしかない。

現在の男系男子限定は不道徳である。

旧宮家の復活は男子を産むことを強要される女性を
増やすだけで何の解決にもならないばかりか、
一般国民と皇室の境界を消滅させ、
皇室の存在意義が灰燼に帰す。

皇統問題は現在の社会を背負う我々の責任で
判断しなくてはいけない。

慣習、人権、社会情勢を網羅的に考えて判断すべき
極めて現代的な問題であり、慣習法の遵守などという主張は
自主的な判断から逃れようとする責任逃れの言い訳で、無責任である。

以上


1.なぜ中川八洋先生か?
2.中川八洋先生の皇統関連の著作
3.中川八洋先生の男系論の要約
4.中川八洋先生の男系論への反論
  −1 英国において慣習法(コモン・ロー)は エクイティ(衡平法)により修正される、
  −2 権力者は時代の要請に応える必要がある。
  −3 コモン・ローは不正に対して救済するためのものである。
  −4 道徳はコモン・ローよりも優先される。
  −5 コモン・ローは時代の要請により再解釈される。
  −6 コモン・ローは先例を生み出す機能がある。
  −7 人権思想は完全には無視できない。
  −8 まとめ


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