4−2 権力者は時代の要請に応える必要がある。

いつの時代も権力者は、その治世において
時代の要請と向き合う宿命にある。

先例の墨守が要請される時代もあれば、
先例を覆すような抜本的な改革が要請される時代もある。

権力者たちの施策には悪いものもあれば、良いものもある。

英国において良い評価を得ているものを
下記の通り列記する。

ウィリアム1世による侵略
ヘンリ1世、ヘンリ2世による統治機構の強化
ヘンリ3世による議会(Parliament)の成立
エドワード1世による司法権の強化
エドワード4世によるエクイティ裁判所の確立
ヘンリ7世による女系継承と絶対王政
ヘンリ8世による英国教会の確立
エリザベス1世が女王として即位
ジェイムズ1世がスコットランド王でありながらイングランド王として即位
名誉革命による国会優位の確立
ウィリアム1世とメアリ1世の共同統治
ウィリアム1世による王位継承法確立
1832年の選挙制度改革
1911年の庶民院優位の確立

これらの施策には先例など無い。

権力の専横を抑制し、国民の自由を保障する施策は
評価されるのである。

何が何でも伝統を守るという考え方は常軌を逸している。

男系論と女系公認のどちらが
皇室と国民の自由を保障するのか、
という視点が必要である。

人を自由にするのは道徳である。
人は道徳的実践により自由を実感する。

後述するように男系論は非道徳的であり、
皇室にとっては言うまでもないが、
国民をも決して自由にはしない。

以上

1.なぜ中川八洋先生か?
2.中川八洋先生の皇統関連の著作
3.中川八洋先生の男系論の要約
4.中川八洋先生の男系論への反論
  −1 英国において慣習法(コモン・ロー)は エクイティ(衡平法)により修正される、
  −2 権力者は時代の要請に応える必要がある。
  −3 コモン・ローは不正に対して救済するためのものである。
  −4 道徳はコモン・ローよりも優先される。
  −5 コモン・ローは時代の要請により再解釈される。
  −6 コモン・ローは先例を生み出す機能がある。
  −7 人権思想は完全には無視できない。
  −8 まとめ


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